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代表より農業支援について真剣に学びました

5月15日に久松町区民館で実施された研究会は、ふらっと研究会の代表である中村哲也さんが満を持して登場した農業支援のお話でした。

いつもの顔?とは異なる実務に基づく本格的な内容です!

時間は、あっという間に過ぎ去っていきます!

農水省白書の読み方から光合成と生産性まで、幅広く濃度の詰まった講義を堪能した結果、中村さんらしく時間オーバーして懇親会に突入しました!


ざっとその講義内容をおさらいしていきます。


外部環境目線で農業を俯瞰すると、社会変化の課題が浮かび上がります。

・自然を相手にする農業だからこそ、近年の気候の変化が切実に作用し、今までの経験則が成り立たなくなってきている

・国際社会の変化により、農業政策も「食料の安全供給の確保」から、「食料安全保障の確保」に変わった(保障が加わった)

 

労働人口減少も大きな課題のひとつです。


そこで近年注目されているのがスマート農業です。

「農業」✕「先端技術」の組み合わせで、さまざまな取り組みが行われています。


ただし、スマートであればいいのか?

その表裏をしっかりと語っていただきました。


特に果樹園?のレイアウト変更の事例が象徴的でした。

街路樹のように樹木を直線的に配置し、機械が通れる通路を確保することで、機械作業が容易になります。

確かに作業効率は高まり、良い方法に見えます。

しかし、中村さんは別の側面も見ることを力説します。


「ちょっと待てよ、本当にそれだけでいいのか?」


今までは樹木を中心にして円と円が被らないよう樹木を配置していました。

これを機械中心に考えて樹木を直線に配置すると、実は樹木の受光率が下がります。

葉っぱと葉っぱが重なることで、枝がぶつかり、傷物が多くなります。


つまり、生産量が落ちます。

結果的に、作業効率は高まりますが、今までより収入は落ちる可能性があります。


「常にメリットだけではなくデメリットも考える、損益分岐点を考える」

これがスマート農業を実践するうえで重要な目線だと学びました。

 

話は、より具体的な植物工場へと進んでいきます。


まずは、露地栽培と施設栽培の違いから。


露地栽培は、太陽任せ、気象条件任せです。

一方、施設栽培も、雨風だけを防ぐものから植物工場のような大きな設備投資が必要なものまでいろいろあります。

後者になるほど、気象条件といった不確定要素は減少します。


とはいえ、向き不向きがあるようです。

植物工場では、不確定要素である太陽光ではなくLEDを光源として利用します。

実は、太陽光の発する膨大なエネルギーとLEDが発するエネルギーには、圧倒的な差があります。

LEDによるトマト栽培は、電力をかなり使うことになるため、厳しいとのことです。

 

植物の成長にとって、重要なのは何か?


そうです、光です、光合成です。

光合成で有機化合物ができるのです。

ただし、光合成にとって重要なのは、光だけではありません。

温度によって光合成に差が出ます。


光合成P=f(Q,C,T) Q:光、C:CO2、T:温度


話は、光合成の科学から、そのための温度測定の仕方まで、なぜ?とどうやって?が共存したわかりやすい解説が続きます。

 

そして、話は「施設園芸で成功するための5要素」 に進みます。

手入れ、水やりから環境制御、そして販売先、インフラまで、農業経営全般の話です。

農業支援においては、これらのポイントを押さえながら生産量を考えて提案することが重要だと学びました。

 

業界の常識、単位表現の注意事項から、ブランディング、農業支援の関わり方など、話が尽きることがありません。


普段は早々に、残りは懇親会で・・・となるふら研とは異なり、真剣農業講座としてヒートアップしていきます。

 

最後は、診断士としてのマインドです。


農業は、地域を活性化させないと成り立たない、最初は支援先の想いを確認することが大切です。

ただし、その想いを実現するにはハードルが高いことも多いです。

例えば人参を自然栽培でやりたいという想いを実現すると、モグラ対策が必要になります。

身が小さくなる可能性があります。

むしろ、その小ささを売りにしていく必要があります。


「どれを重視して、どんな顧客に、何を提供していきたいのか、それをしっかりと考えていかないと提案できない」

これが農業支援のポイントです。


また、これから生産者が世代交代していくうえで、農業のビジョンをみせることの大切さも学びました。

 

圧倒的な質とボリュームで、時間を超過する素晴らしい講義でした。


このエネルギーが、しっかりとその後の懇親会で発散されたことは言うまでもありません。



 
 
 

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